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弟の初舞台

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9月18日。

台風で雨も風も強い中、行きの電車でマッハで坊ちゃんを読み返して(赤シャツとの釣りのシーンまでしか読めなかった)、フォロワーに登場人物について教えて貰って、あとは昔読んだときの記憶を頼りにして…無事、聡くんの初舞台である赤シャツを観劇することができました!

相変わらずネタバレしかしないし中身も無いので、Twitterの延長ぐらいの気持ちで読むことをオススメします…

 

 

 

 

 

まずは舞台構成の感想から。セットがこじんまりしてて可愛い。そういえば、外のシーンってもしかして無かった?赤シャツの家とか、店の個室とか、校長室とか、セットが変わってもずっとひとつの部屋でお芝居してたよね。そのスケール感が結構好きだったのと、音楽が生演奏なのも良かった!個人的にオーケストラとかの演奏前にやる音合わせが凄い好きなんですよね。というかミュージカルじゃないのに生演奏って、なんて贅沢な演出…羨ましい…

舞台上では赤シャツがメインのお芝居、スクリーンの映像とナレーターで「坊ちゃん」の本編という世界線の分け方がお洒落。原作読んでないと「坊ちゃんはいつ出てくるの?」とか「あのナレーターは?」って置いてかれてたと思うので、予習しといて良かった…ナレーターが入ることによって原作の世界線ではどこの時間軸なのかが明確になるから、お芝居していないところまで見えるんだよね。限られた時間の中での余白の埋め方が綺麗だなって。あと、武右衛門と坊ちゃんの幼少期に重なる部分が多いのも面白かったな。将棋を眉間に投げつけたのって、坊ちゃんでもあったもんね。最後に兄である赤シャツからお金を出してもらって学校に行くのも、坊ちゃんが先生になる前と重なる部分があったし。原作読んでると「これ進研ゼミでやった!」状態になれて楽しい。

そしてなにより、照史くんと聡くんのお芝居ね。原作を読んだとき、「妙に女のような優しい声」とか「男だか女だかわかりゃしない」って書かれ方をしてる赤シャツを照史くんがやるんだ…って感じだった。けど、笑い方とか声の出し方、喋り方がほんとに赤シャツそのもので。わたしのお芝居の印象がゲキカラドウだったので、ここまでこの役になりきれるんだって感動しちゃった。聡くんも登場のドタバタシーンからいたずらっこな中学生が滲み出てたし、なんとも憎めない可愛らしいキャラクターが似合うな〜二人とも舞台映えする人で、帰る頃には更に惚れちゃってたね。

クスッと笑えるシーンも結構多くて、すぐ胃が痛くなっちゃう赤シャツとか、行け行け押せ押せなマドンナとか、すぐ盗み聞きしちゃうウシとか、イナゴ追っかけてドタバタな武右衛門とか。そりゃ見学の中島さんも笑っちゃうよね。なんかこう、真面目にお芝居してるのに笑わせられるのってやっぱりエンターテイナーだよなとしみじみ。

あとは時代背景が日露戦争辺りのお話だということ。正直日本史は苦手なのである程度の知識しか身についてないんですけども…この時代は今より遥かに学歴社会が根付いてた(らしい)ので、その点ではやはり赤シャツの地位にマドンナが惹かれるのも、校長が赤シャツを手放したくなかったのも、共感できちゃうんですよね。この作品の軸のひとつに弟である武右衛門との関係がありますが、二人の関係が拗れたのも戦争がきっかけで。現代に生きる人間からしたらそりゃ戦争なんて行かなくていいと思ってしまうけど、当時はお国のために戦えないなんて非国民だと暴言を浴びせられる時代ですからね…日本史苦手なのにこういう時代背景のお話は好きなので、ここら辺の描写がきちんとあったのも良かったです。

最後、坊ちゃんと山嵐にやられて帰ってきたシーン。敵役を買ってでも、武右衛門が希望する学校への進学を後押しし、更に小鈴にプロポーズした赤シャツ。あえて舞台中の台詞から抜き出すとすれば、男らしかったんじゃないですかね。何度も劇中に出てくる「男らしい」という言葉。ジェンダーについて考えさせられるこの時代に、「男らしくなりたい」と嘆く赤シャツを主役とした作品を浴びれたのは貴重だったかもしれないな。男らしくないと言われた赤シャツが悪役とされた「坊ちゃん」から100年の年月を経て描かれた作品というのがじわじわと感じられました。そんな作品に聡くんが関わってくれたこと、この目でそれを見届けられたこと、本当に有難い…また聡くんのお芝居が見れるといいな。

 

 

 

 

 

聡くんへ

 

たくあんいっぱい食べて大きくなってね!!!!!